おく歯のつめものがとれてずっと放置していたという方。
矢印の部分に金属がはまっていたのがとれています。
ふちの部分でほっぺたを咬んだあとがあり、とても痛々しいです。
一度咬むとまた同じところを咬んでしまうということを繰り返しやすいのです。
少し茶色くなっています。
むし歯になっています。
クリーム色の部分はつめものです。
その下はどうなっているのでしょうか、
ここもはがして確かめる必要がありそうです。
少しずつクリーム色の部分を削って行きます。
やはり下の部分にはむし歯ができていました。
フレーク状に歯がぽろぽろと削れてきます。
このような状態では構造を維持することはできません。
だいぶ取り除きました。
これで大丈夫でしょうか?
むし歯の取り残しがないか赤く染め出して確認します。
まだまだ残っているようです。
まだぽろぽろと取れてきます。
手前の歯との間をチェックしてみます。
ここにも亀裂が入っています。
そしてむし歯があります。
ここもきれいに削ります。
ようやくむし歯を取り除くことができました。
約30分ほどかかっています。
神経の空間に近いところまで触っているため
樹脂で封鎖して保護します。
セラミックを接着して治療終了です。
ところでお気づきになりましたか?
ひとつ手前の歯のひび。
矢印のところにひび(上の矢印)、すきまのむし歯(左の矢印)、微少な亀裂(右の矢印)が見えます。
入っているのはアマルガム合金です。
金属を外す場合はアマルガム合金に含まれる水銀に配慮する必要があります。
どのように配慮するのか?
特殊な防護をします。
これはご本人に直接お伝えしてから行いますのでここには記載しません。
昔は保険でも認められたアマルガム合金がいまでは環境への配慮から
使われなくなっているとは当時誰が想像したでしょうか?
おそらく、国が認めているから大丈夫だろうという風に思っていたはずです。
精度の高い気化水銀メーターにより気化水銀が検知できる時代がくるとは、
ほとんどの人が考えなかったでしょう。
防護なしで安易に削ることはおすすめしません。
水銀のデトックスかなり大変ですし、
検査費用、デトックス費用などかさみます。
金属を外す時はしっかりと防護しましょう。
ラバーダムだけでは防護ではない
ということを付け加えておきますね。