当院の治療例(Before&after)集
歯周病
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法とは?
歯周組織再生療法は、歯周病により失われた歯ぐきや歯槽骨などの歯周組織を再生させることを目的とした治療法です。歯周病が進行すると、歯を支える骨や歯ぐきが徐々に失われ、最終的に歯が抜け落ちてしまうことがあります。そこで、適切な治療とメンテナンスを行うことで、歯周組織の回復をはかり、歯をより長く健康的に保つことが期待されます。
主な治療の流れ
- 検査・診断
- 歯周ポケットの深さや歯の動揺度などを調べ、現在の歯周組織の状態を確認します。
- 必要に応じてX線写真撮影を行い、歯槽骨の状態を詳しく把握します。
- 基本的な歯周病治療
- スケーリングやルートプレーニングにより、歯周病の原因となる歯石やプラークを徹底的に除去します。
- 歯磨き指導や生活習慣の改善など、再び歯周病が進行しないような環境づくりを行います。
- 再生治療の検討
- 歯周ポケットが深い、あるいは歯槽骨の吸収が大きい部位に対して、GTR法(メンブレン法)やエムドゲイン(※)などの再生材料を用いるか検討します。
- 患者様の全身状態や歯周組織の状態に応じて、必要性や適応の有無を判断します。
- 外科的治療
- 歯ぐきを一部切開し、歯槽骨や歯根面をきれいに清掃した上で再生材料を用います。
- 縫合を行い、治癒を待つ期間は必要に応じて個人差があります。
- 術後のメンテナンス
- 再生療法後は定期的にメンテナンスを受けることで、歯周組織を健康な状態に保ちやすくなります。
- 正しい歯みがきとクリーニングが重要となります。
(※) 「エムドゲイン」は、歯の発育因子を利用した再生材料です。使用の有無は症例によって異なります。
症例紹介(ビフォーアフターのCT画像)
こちらは一例であり、効果には個人差があります。すべての方に同じ結果を保証するものではありません。
- 患者様の年齢・性別:30代・女性
- 主訴:歯ぐきの腫れと出血、および歯の動揺、痛み
- 診断:根尖性歯周炎を伴う重度の歯周炎(歯内歯周病変)
- 治療内容:
- スケーリング・ルートプレーニング
- 精密根管治療(自費診療)
- 再評価後、エムドゲイン、骨補填剤、レーザーを併用した歯周組織再生療法をマイクロスコープ下にて実施(自費診療)
- 術後1,2,4,6週間目、1ヶ月目、3ヶ月目に経過観察とクリーニングを実施
- 治癒により最終の被せ物を装着し終了
Before(CT画像) | After(CT画像) |
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治療前歯槽骨の吸収が見られ、歯周ポケットが深い状態。 | 治療後歯周ポケットの減少と骨の回復傾向が確認される。 |


治療期間
- 約6ヶ月(基本治療・再生療法・メンテナンスを含む)
※個人の症状や治癒過程により期間は前後します。
治療費
- おおよそ30万円~40万円前後(自費診療)
※使用する再生材料やクリニックの方針、保険適用の有無により変動する可能性があります。
※治療内容によっては保険診療との併用ができる場合もあるため、担当歯科医師とご相談ください。
歯周組織再生療法のメリット・デメリット
メリット
- 歯周組織が再生されることで、歯の安定性が高まり、将来的に歯を残しやすくなる可能性がある
- しっかりと治療後のメンテナンスを行えば、長期的な歯周病管理に役立つ
デメリット
- 再生材料費などで費用が比較的高額になる傾向がある
- 患者様の状態や術後ケアによっては期待通りの回復が得られない場合もある
- 歯周組織の回復度合いには個人差があり、結果が保証されるわけではない
注意事項
- 本記事で紹介している治療法の効果は個人差があります。すべての方に同一の結果を保証するものではありません。
- 治療期間や費用も患者様の症状や治療内容により異なる場合がありますので、詳細は担当の歯科医師へご相談ください。
- 本記事は一般的な治療内容を分かりやすく説明することを目的としており、特定の治療法を強く推奨・宣伝するものではありません。
- 使用している画像は実際の症例ですが、あくまでも一例であり、すべての方に同じ治療結果を保証するものではありません。
まとめ
歯周病は、進行すると歯を失う可能性が高まる怖い病気です。しかし、適切な時期に検査と治療を受け、日頃から丁寧なケアとメンテナンスを行うことで、歯周病によるリスクを減らすことができます。歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた組織を回復させる可能性のある治療法ですが、個人差が大きく費用もかかるため、まずは歯科医師とよく相談し、自分に合った治療計画を立てましょう。
ご自身の歯ぐきの状態や、歯周組織再生療法にご興味がある方は、まずはかかりつけの歯科医院でご相談いただくことをおすすめします。