当院の治療例(Before&after)集

成人矯正

マウスピース矯正 58歳女性 見た目とかみ合わせの再構成

歯列矯正治療は見た目だけを改善する治療ではなく、実際には見た目と構造的なバランスを再構成していく治療方法です。若年の方の場合は歯が全て揃っていることが多いのですが、中高年の方の場合は奥歯が数本ない状態から治療を始めることが比較的多くなる傾向にあります。

今回は奥歯が2本無い方の治療例をご紹介します。

上の歯です。

この歯が後ろの位置にあることと

奥歯が1本無い状態です。

前歯が後ろに位置していると

構造的にはあごの動きがこの場所でロックされるのであごの左右の動きが制限されてしまいます。
そして見た目はこのような感じの口元になります。

奥歯に関しては1本無いのですが、この場所を治療するにあたり二つの選択肢が出てきます。

1. 歯ならびはそのままで奥歯だけの治療を行う

2. 歯ならびも整えて奥歯の治療を行う

 

1.の場合、歯が無いところにインプラントを用いて回復した場合、治療後気が変わって歯列矯正治療を行うことに対応するのが難しくなることがあります。
2.の場合、歯が無いところをどのように回復していくかにもよりますが、通常は歯ならび矯正治療を優先させていきます。ただし、奥歯の残り本数が少ない場合は奥歯を再建してからの矯正治療になります。

下の歯です。奥歯は1本ありません。
常に片方を下にして寝ていたりすると歯列が歪むことがありますのでご注意ください。
若干の歪みがあります。

奥歯がないこの場所は歯列矯正治療で歯を動かしてスペースを減らしてブリッジにすることになりました。
インプラント治療によりブリッジ治療をする機会は減っていますが、ブリッジの橋渡しをする距離を詰めることにより、ブリッジの方がインプラントよりもお勧めできる場合があります。この判断は歯ならび矯正治療のシュミレーションをみて検討していくことが多いです。

下の歯ならびです。歪みも取れ綺麗なアーチとなっています。

下の歯は一番奥の歯が1本不足していますが、ここはそのまま何も入れないことにしています。


構造的にはこれでしっかりと咬めるでしょう。
またあごの動きについて、前歯の位置が改善しロックが外されているので自由度も上がっているでしょう。

見た目の変化です。
頑張ってマウスピース矯正治療にお付き合いいただきとても良い結果となったと思います。

今後は定期的メインテナンス治療にてお待ちしています。個人情報が特定できない範囲での写真の使用をご承諾いただきありがとうございました。
以上、構造の回復という点から書いてみました。今後、奥歯がない方の歯列矯正についてご紹介したいと思います。

歯を入れるだけのご希望で構造的な問題が潜在的に存在していても、歯列矯正治療までは必要とされていない方も多くいらっしゃいます。どこまで行うか十分なご相談が必要になります。

年齢・性別 58歳 女性
治療期間 2年
治療回数 20回
治療費 治療費合計1,562,440円(税込)
矯正治療費として総額928,800円(※8%税込)
ジルコニアクラウン5本総額 633,640円(10%税込) 
リスクなど 知覚過敏、歯根吸収、歯髄壊死、歯肉退縮
※全ての治療には個人差があり、治療の結果は異なります。