当院の治療例(Before&after)集
骨がほとんどない上あごのインプラント治療例
上あごにインプラントを行う場合に骨の量がなさすぎてすぐにインプラントを入れられないことがあります。例えば……
この方の場合、左上のおく歯の根の周りに感染が波及し炎症により骨を溶かしてしまっています。
拡大したのがこちら
歯根が完全に骨から露出しています。噛み合わせの主力である第一大臼歯です。
この歯があるとないでは咀嚼に大きな違いが出てしまいます。
CTにより見てみます。
元々3−4mmの厚みがあったであろう骨は薄皮一枚のペラペラ状態です。インプラント治療をこの場所に行うには厚い骨が必要となります。このままではインプラント治療は不可能でしょう。
インプラント治療に耐えられるような骨の造成処置を行います。
骨を造成しました。日が経つにつれて造成した骨は一部は吸収し、一部は自分の骨に置換されていきます。
そもそも骨というのは常に代謝が行われており、古い骨は吸収され新しい骨を作って置き換えられています。
半年ほどするとボリュームが減り落ち着いてきました。骨の代謝は人それぞれですので半年というのは一応の目安です。早い人もいれば遅い人もいます。
インプラントに耐えられる状態の骨ができたのでインプラントを設置しました。
設置したインプラントが骨とくっつくまで再度待ちます。
インプラントの仕上がりをどう見極めるか、以前はおおよその期間でしたが現在はその期間の目安にい加えて、超音波により安定度を測定することが可能となっています(ISQ測定)。
ISQ測定はすべてのインプラント治療時に併用しています。治療直後の数値が一旦落ち込み、最初の状態よりも高い安定度を示すようになり、負荷を与えても良い安定値が出るのをモニタリングしていきます。
この方の場合も一定期間後、安定した数値が得られましたので、最終の被せ物をつけて噛んで行くようにしました。
以上、骨がない状態からどのようにインプラント治療をどのように行っていくか、具体例を挙げてご説明しました。