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審美/スマイル

院長のとっておきの話 その73 歯の色、男女で見え方が違う?最新研究が問いかける「理想の笑顔」の新常識5選

「白くて美しい歯」「輝くような笑顔」——。多くの方が、一度はそんな理想の口元に憧れを抱いたことがあるのではないでしょうか。歯のホワイトニングや審美歯科治療への関心が高まる中、「とにかく歯を白くしたい」と考えるのは自然なことです。

しかし、「理想の笑顔」の定義は、私たちが思っているよりもずっと奥深く、パーソナルなものかもしれません。実は、自分自身の笑顔をどう感じるかには、性別やその日の気分、さらには顔の特徴までが複雑に影響している可能性が、最新の研究で探求され始めています。

イタリアの名門、ローマ・サピエンツァ大学の研究チームが発表した最新の研究計画は、まさにこのテーマに光を当てています。この研究は、画一的な美の基準から脱却し、より包括的で、一人ひとりに寄り添った科学的根拠に基づくアプローチへの大きな転換点となるものです。今回は、この最先端の研究が明らかにしようとしている、あなたの笑顔の見方を変えるかもしれない5つの新しい視点をご紹介します。

1. 歯科にも「オーダーメイド」と「男女差」の視点が

医療の世界では近年、「性差医療(ジェンダー・ベースド・メディシン)」という考え方が重要視されています。これは、これまで男性を基準に行われることが多かった医学研究を見直し、男女の生物学的な違いや社会的な役割の違いを考慮して、より効果的で安全な治療を目指すアプローチです。

そして今、この「一人ひとりに合わせた」「性差を考慮した」パーソナライズの考え方が、歯科の分野にも応用されようとしています。男女で体のつくりが違うように、口元の美しさに対する感じ方や評価の仕方も違うのではないか? この問いに答えることで、より患者さん一人ひとりに寄り添った治療が可能になると期待されています。

これまでの『誰にでも当てはまる』標準的な美しさの追求から脱却し、性差という科学的な視点を取り入れることで、初めて一人ひとりの患者様が心から満足できる、真にパーソナライズされた治療が実現するのです。

2. 「完璧な歯の色」は、カタログではなく、お顔との調和で決まる

審美歯科における美しさとは、単に歯を真っ白にすることだけではありません。今回の研究が目指すのは、「形と色が、個人の生体情報と調和した」状態です。最先端の審美歯科が目指すのは、歯を顔という『キャンバス』に溶け込ませる、一人ひとり異なる『生体情報(バイオメトリクス)』に基づいた色の調和なのです。

そのために、研究者たちは歯の色と顔の様々な特徴との関係性を調査しています。具体的には、以下のような点を評価項目に挙げています。

  • 肌のアンダートーン(ウォーム系かクール系か)
  • 髪の色
  • 顔の形(丸顔、三角顔、四角顔など)
  • 唇の厚さ

あなたの肌や髪の色、顔の輪郭に最も調和する歯の色こそが、あなたにとっての「完璧な色」なのかもしれません。

3. 笑顔の魅力、男性と女性で感じ方が違うかもしれない?

この研究が探求する最も中心的な問いの一つが、「歯の色や笑顔の魅力の感じ方には、男女差があるのか?」という点です。

これまでも、身体的な特徴として男女の歯の色に違いがあることを調べた研究は存在しました。しかし、今回の研究がユニークなのは、物理的な色の違いではなく、私たちがそれをどのように「主観的に認識しているか」に焦点を当てている点です。男性と女性では、同じ歯の色を見ても、その魅力の感じ方が異なる可能性があるのです。

この問いへの答えが明らかになれば、審美歯科のカウンセリングにおいて、より患者さんの性別に合わせた丁寧なコミュニケーションが可能になるかもしれません。

4. その日の気分が、自分の笑顔の評価を変えている?

「なんだか今日は、鏡に映る自分の顔が冴えないな…」と感じた経験はありませんか? この研究で最も興味深い探求の一つが、人の「気分(感情状態)」と「自分の歯の色や笑顔の魅力に対する自己評価」との間に関連があるのではないか、という仮説です。

研究では、患者さんが自分の笑顔を評価する際に、「POMS(Profile of Mood States)」と呼ばれる標準化された心理質問票(緊張、怒り、活気、疲労といった多角的な感情の状態を測定する心理テストです)を用いて、その時の気分を測定します。緊張しているか、リラックスしているか、元気か、落ち込んでいるかといった感情の状態が、自分の笑顔をどれだけ魅力的だと感じるかに影響を与える可能性を探るのです。

この関係性が解明されれば、歯科医師は患者さんの心理的な側面も理解した上で、より包括的で心に寄り添ったケアを提供できるようになるでしょう。

5. 私たちは、自分自身の最も厳しい審査員かもしれない

この研究の背景には、「人は客観的な事実以上に、自分自身の見た目を厳しく評価してしまう傾向がある」という心理学的な現象があります。

自尊心やボディイメージといった心理社会的要因が、私たちの自己評価にバイアスをかけ、自分だけが気になる欠点を過大に捉えさせてしまうことがあるのです。他人から見れば全く気にならないような歯のわずかな色の違いを、自分だけが「大きな欠点」だと感じてしまうケースは、まさにこの心理が働いているのかもしれません。例えば、矯正治療を経験された方が歯並びのわずかな違いに非常に敏感になることがあるように、私たちの心理状態は審美歯科の結果をどう受け止めるかに深く関わっているのです。

今回の研究は、審美歯科の領域におけるこの「主観的な認識の性質」を深く理解することも目的としています。

まとめ:笑顔の美学は、新しい時代へ

この記事でご紹介した研究は、単に新しい事実を明らかにするだけでなく、私たち患者自身が「美しさ」の主導権を取り戻すためのヒントを与えてくれます。もはや、雑誌のモデルや誰かの基準に合わせる画一的な美しさを目指すのではなく、あなた自身の個性と調和した、あなただけの輝きを見つけること。それこそが、これからの審美歯科が目指すゴールなのです。

最後に、一つだけ質問です。 あなたにとって、「本当に美しい笑顔」とは、どのような笑顔ですか?

【動画で知りたい方はこちら↓】(一部読み方がおかしい部分がありますが内容は正確です)

引用)

Mazur M, Jedliński M, Westland S, Piroli M, Luperini M, Ndokaj A, Janiszewska-Olszowska J, Nardi GM. Tooth Colour and Facial Attractiveness: Study Protocol for Self-Perception with a Gender-Based Approach. J Pers Med. 2024 Mar 30;14(4):374. doi: 10.3390/jpm14040374. PMID: 38673002; PMCID: PMC11050876.

院長紹介

院長

Tatsuya Aoyama

皆さま、こんにちは。私たちの歯科医院では、患者さま一人ひとりに寄り添い、最適な治療を提供することを目指しています。
精密な技術と設備を活用し、痛みの少ない治療を心掛けています。また、審美治療やインプラント、メインテナンス、訪問診療、抗加齢医学的栄養療法など、幅広いニーズに対応できる専門的なケアを提供しております。皆さまの笑顔を守り、健康的で美しい歯を維持するお手伝いをさせていただきます。お気軽にご相談ください。

略歴

H6年3月
宮崎県立延岡高校卒業
H12年4月
国立徳島大学 歯学部歯学科卒業
H12年5月
歯科医師免許証取得
H12-15年
インプラントセンター、予防歯科医院など3件で勤務
H15年7月
瑞の木会 ローズタウン歯科入社
H22年2月
ローズタウン歯科クリニック 継承
H31年4月
医療法人 地天泰 理事長 就任

所属

  • 日本歯周病学会(歯周病)
  • 日本口腔インプラント学会(インプラント)
  • 日本顕微鏡歯科学会(マイクロスコープ)
  • International Team for Implantology(ITI) member(インプラント)
  • 日本抗加齢医学会(アンチエイジング)
  • 日本分子状水素医学生物学会(アンチエイジング)
  • 日本アライナー矯正歯科研究会(マウスピース矯正)
  • Er-YAGレーザー臨床研究会(レーザー)
  • 日本口腔検査学会
  • 浦安市歯科医師会
  • 千葉県歯科医師会
  • 日本歯科医師会
  • 学校歯科医会

資格

歯科医師、日本抗加齢医学会専門医、ITIセクションジャパンインプラントスペシャリスト認定医