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院長のとっておきの話 その87 「食べるのをやめる」だけで脳が若返る?最新研究が明かす「プチ断食」の驚くべき3つの健康効果

はじめに:口腔の健康から脳の健康へ

歯科クリニックでは、お口の健康が全身の健康への入り口であると常にお伝えしています。しかし、日々の習慣が、一見関係なさそうに見える「脳の健康」にまで深く関わっていることは、あまり知られていないかもしれません。

最近の研究で、私たちの想像以上に強力な脳の健康法として注目されているのが「プチ断食(間欠的断食)」です。これは単なるダイエット法ではありません。最新の科学的知見に基づくと、食事の「タイミング」を調整するだけで、脳の老化を防ぎ、その機能を守る驚くべき効果があることがわかってきました。この記事では、プチ断食が脳にもたらす3つの具体的な健康効果を、わかりやすく解説していきます。

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1. 腸を整え、脳を守る:「腸脳相関」を活性化する

私たちの腸と脳が、絶えず情報をやり取りしていることをご存知でしょうか。これを「腸脳相関(ちょうのうそうかん)」と呼び、健康な腸が健康な脳につながるという考え方です。

プチ断食は、この腸内環境を劇的に再構築することがわかっています。具体的には、アッカーマンシア・ムシニフィララクトバチルスフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィビフィドバクテリウム・ロンガムといった、いわゆる「善玉菌」の数を増やす効果があります。

これらの善玉菌は、「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」と呼ばれる重要な代謝物質群を作り出します。その中でも特に有名なのが「酪酸(らくさん)」です。この短鎖脂肪酸こそが、脳を守るキープレイヤーです。腸のバリア機能を維持し、体内の炎症を抑え、さらには「脳由来神経栄養因子(BDNF)」という「脳細胞の栄養」とも言える物質の分泌を促進するのです。さらに、これらの短鎖脂肪酸は、脳の健康に関わる遺伝子の働きを良い方向に調整する力も持っていることがわかっています。

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2. 脳の「大掃除」:オートファジー機能を起動する

私たちの体には、古くなったり傷ついたりした細胞を分解し、リサイクルする「オートファジー」という仕組みが備わっています。これは、いわば「細胞レベルの大掃除」システムです。

この大掃除機能は、アルツハイマー病のような神経変性疾患において極めて重要です。なぜなら、これらの病気はアミロイドβやα-シヌクレインのような有害なたんぱく質が脳内に蓄積することが一因とされるからです。

プチ断食は、このオートファジーを活性化させる最も強力な自然な方法の一つです。食事をしない時間を作ることで、体は「掃除モード」に切り替わり、脳内に溜まった有害な老廃物を効率的に除去し始めます。これにより、神経細胞の機能が守られ、脳の健康が維持されるのです。

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3. 脳のエネルギー革命:クリーンな「スーパー燃料」を燃やす

食事をしない時間(断食中)、私たちの体はエネルギー源を切り替える「メタボリックスイッチ」を経験します。普段使っているブドウ糖(糖質)から、脂肪を分解して作られる「ケトン体」へとエネルギー源が変わるのです。

このケトン体の一種であるβ-ヒドロキシ酪酸(BHB)は、単なる代替エネルギーではありません。脳にとっては、より効率的に燃焼し、細胞を傷つける活性酸素(いわゆる「体のサビ」)の発生も少ない、まさに「スーパー燃料」です。

さらに、BHBは強力な情報伝達物質としても機能します。特に、神経炎症の主要な原因である「NLRP3インフラマソーム」という複合体の働きを抑制し、脳を炎症から守る効果があることがわかっています。つまり、プチ断食は脳にクリーンなエネルギーを供給するだけでなく、ストレスや炎症から積極的に脳を保護する役割も果たしているのです。

プチ断食は、神経変性を「不可逆的な衰退」というモデルから「修正可能なレジリエンス(回復力)」というモデルへと再構築する可能性がある、拡張性のある柔軟な介入法です。

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結論:あなたの脳の未来は今日から始まる

ここまで見てきたように、プチ断食は以下の3つのメカニズムを通じて、私たちの脳に強力な保護効果をもたらします。

  1. 腸脳相関の活性化:腸内環境を整え、脳の栄養を増やす。
  2. オートファジーの起動:脳内の老廃物を掃除し、クリーンな状態を保つ。
  3. エネルギー源の転換:クリーンで効率的なスーパー燃料で脳を動かし、炎症から守る。

これらの事実は、何を食べるかだけでなく、「いつ食べるか」という食事のタイミングが、長期的な脳の健康にとって非常に重要であることを示唆しています。

私たちは毎日、歯の健康のために歯磨きをします。もしかしたら、食事の時間を意識することが、未来の脳の健康を守るための『脳磨き』になるのかもしれませんね。


【動画で知りたい方はこちら↓】(一部読み方がおかしい部分がありますが内容は正確です)

引用)
Hein ZM, Arbain MFF, Kumar S, Mehat MZ, Hamid HA, Che Ramli MD, Che Mohd Nassir CMN. Intermittent Fasting as a Neuroprotective Strategy: Gut-Brain Axis Modulation and Metabolic Reprogramming in Neurodegenerative Disorders. Nutrients. 2025 Jul 9;17(14):2266. doi: 10.3390/nu17142266. PMID: 40732891; PMCID: PMC12298811.

院長紹介

院長

Tatsuya Aoyama

皆さま、こんにちは。私たちの歯科医院では、患者さま一人ひとりに寄り添い、最適な治療を提供することを目指しています。
精密な技術と設備を活用し、痛みの少ない治療を心掛けています。また、審美治療やインプラント、メインテナンス、訪問診療、抗加齢医学的栄養療法など、幅広いニーズに対応できる専門的なケアを提供しております。皆さまの笑顔を守り、健康的で美しい歯を維持するお手伝いをさせていただきます。お気軽にご相談ください。

略歴

H6年3月
宮崎県立延岡高校卒業
H12年4月
国立徳島大学 歯学部歯学科卒業
H12年5月
歯科医師免許証取得
H12-15年
インプラントセンター、予防歯科医院など3件で勤務
H15年7月
瑞の木会 ローズタウン歯科入社
H22年2月
ローズタウン歯科クリニック 継承
H31年4月
医療法人 地天泰 理事長 就任

所属

  • 日本歯周病学会(歯周病)
  • 日本口腔インプラント学会(インプラント)
  • 日本顕微鏡歯科学会(マイクロスコープ)
  • International Team for Implantology(ITI) member(インプラント)
  • 日本抗加齢医学会(アンチエイジング)
  • 日本分子状水素医学生物学会(アンチエイジング)
  • 日本アライナー矯正歯科研究会(マウスピース矯正)
  • Er-YAGレーザー臨床研究会(レーザー)
  • 日本口腔検査学会
  • 浦安市歯科医師会
  • 千葉県歯科医師会
  • 日本歯科医師会
  • 学校歯科医会

資格

歯科医師、日本抗加齢医学会専門医、ITIセクションジャパンインプラントスペシャリスト認定医