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院長のとっておきの話 その62 なぜ口内炎は繰り返すの?最新研究が解き明かす「体のサビ」との意外な関係

食事をするたびにしみて痛い、話すのも億劫になる…多くの人が経験する口内炎は、本当に厄介な存在です。「またできた。疲れが溜まっているのかな?」「ビタミン不足?」など、原因を推測するものの、なぜか繰り返しできてしまうという方も少なくないでしょう。実は、最新の研究で、このしつこい口内炎の根本的な原因について、もっと深いレベルでの可能性が示唆されています。今回は、その意外な関係について、分かりやすく解説していきます。

体からのサイン?口内炎と「酸化ストレス」の深いつながり
専門的には「再発性アフタ性口内炎(RAS)」と呼ばれるこの症状は、痛みを伴う潰瘍が繰り返しできる炎症性の病気です。そして、その根本原因の一つとして近年注目されているのが「酸化ストレス」という状態です。

これは簡単に言うと「体のサビ」のようなもの。私たちの体は、呼吸によって取り込んだ酸素を利用する過程で、細胞を傷つける「活性酸素」を常に作り出しています。通常は、体に備わった抗酸化作用によってバランスが保たれていますが、このバランスが崩れて活性酸素が過剰になると、細胞が酸化してダメージを受けてしまいます。この細胞レベルでのダメージが、口内炎を引き起こす一因になっているのではないかと考えられているのです。
血液検査でわかる?「虚血修飾アルブミン(IMA)」という新マーカー

ある最新の研究では、口内炎の謎を解き明かすために、非常に興味深い調査が行われました。研究チームは、口内炎を繰り返す患者さん32人と、健康なボランティア34人の血液を採取し、その成分を詳しく比較したのです。
その結果、口内炎を繰り返す患者さんのグループでは、「虚血修飾アルブミン(IMA)」という物質の血中レベルが、健康なグループに比べて統計的に有意に高いことが判明しました。このIMAとは、まさに体が酸化ストレスにさらされた結果として生成される物質であり、口内炎と「体のサビ」を結びつける重要な手がかりとなります。
口内炎の「予測マーカー」としての可能性
このIMAの発見がなぜ重要なのでしょうか。それは、この物質が単に増えていただけではなく、口内炎になりやすいかどうかを予測する上で、非常に優れた識別力を持つことが示されたからです。
この研究で明らかになった、最もインパクトのある数値をご紹介します。

研究によると、IMAの検査結果が陽性だった人は、そうでない人に比べて口内炎(RAS)である可能性が15.4倍も高いことが示されました。

この驚くべき数値は、IMAが単なる研究対象にとどまらず、将来的には口内炎の診断をサポートしたり、リスクを評価したりするための、価値あるツールになる可能性を秘めていることを意味しています。

「体のサビ」を防ぐために。食生活でできること
これまでの話から、「体のサビ」、つまり酸化ストレスを防ぐことが、繰り返しできる口内炎の対策につながる可能性が見えてきました。では、具体的にどうすれば良いのでしょうか。その鍵を握るのが「抗酸化物質」です。抗酸化物質は、その名の通り、体の酸化に対抗し、細胞がサビるのを防いでくれる成分です。

この研究論文でも、食事から摂る抗酸化物質の約半分を占める果物の摂取が、口内炎予防に役立つ可能性を指摘しています。ビタミンCやポリフェノールなどを豊富に含む果物はもちろん、ビタミンEが豊富なナッツ類や、カロテノイドを含む緑黄色野菜などを積極的に摂り、バランスの取れた食生活を心がけることが、今日からできる最も身近な対策と言えるでしょう。
まとめ:口内炎を、体を見直すきっかけに
繰り返しできる口内炎は、単なる口の中のトラブルではなく、体全体の「酸化ストレス」という状態を反映しているサインかもしれません。痛くてつらい口内炎ですが、その見方を変えれば、体からのメッセージと捉えることもできます。


次に口内炎ができたとき、それはただの痛みではなく、ご自身の生活習慣や食生活を見直す良い機会かもしれませんね。
【動画で知りたい方はこちら↓】(一部読み方がおかしい部分がありますが内容は正確です)
引用)
