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院長のとっておきの話 その52 歯ぎしりする方へ朗報!最新研究が示す「ジルコニアの被せ物」が驚くほど丈夫な理由

はじめに:
歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)でお悩みの方にとって、「せっかく高いお金をかけて治療しても、また被せ物が壊れてしまうのではないか?」という不安は、非常によくあるお悩みです。毎晩、無意識のうちに歯にかかる強い力は、時に天然の歯すらすり減らしてしまうほど。果たして、この強力な力に耐えられる歯科材料は存在するのでしょうか?

実は、最近の研究で「ジルコニア」という素材で作られた被せ物が、特に歯ぎしりをする患者さんにおいて、驚くほど優れた結果を示したことが報告されました。ジルコニアは「白い金属」とも呼ばれるほど強度に優れたセラミックの一種で、その丈夫さから医療分野でも広く使われています。この記事では、その研究結果から見えてきたジルコニアの驚くべきポイントを、専門家の視点から分かりやすく解説します。


1. 驚異の耐久性:2年間の追跡調査で破損ゼロ

ポイント1:2年間、1本も割れなかった驚きの強度
ある臨床研究では、歯ぎしりの癖があると診断された20人の患者さんの奥歯にジルコニアの被せ物を装着し、その後24ヶ月(2年間)にわたって追跡調査を行いました。奥歯は食事の際に最も強い力がかかる場所であり、歯ぎしりの影響を特に受けやすい部分です。

その結果、最も注目すべき発見がありました。調査期間中、装着した20本のジルコニアの被せ物が完全に割れてしまう「破折」というケースが、1件もなかった(0%)のです。さらに、被せ物が歯から外れてしまう「脱離」もありませんでした。
これは非常に重要なことです。歯ぎしりによって生じる巨大な力は、一般的なセラミックの被せ物にとっては大きな脅威となります。しかしジルコニアは、その過酷な環境下でも、その構造的な強さを維持し続けたのです。ジルコニアは、強い力がかかると結晶構造が変化して、それ以上亀裂が広がるのを防ぐという特殊な性質を持っています。これが、歯ぎしりのような強力な力にも耐えられる秘密なのです。
2. 「欠け」のリスクもごくわずか
ポイント2:表面の小さな「欠け」もわずか10%
この研究で確認された唯一の軽微な問題は、20本中2本(10%)の被せ物の、表面を覆う化粧用のセラミックに、ごく小さな「欠け(チッピング)」が見られたことだけでした。被せ物の本体であるジルコニア自体には、全く損傷がなかったのです。
しかも、この「欠け」は非常に小さく、歯科医院で簡単な研磨(歯の表面を滑らかに磨く処置)を行うだけで修復可能なレベルでした。つまり、被せ物の機能や見た目に大きな影響を与えるような問題ではなかったのです。さらに、この小さな欠けが起きたのは、最も力がかかる奥歯(大臼歯)のみで、その手前の歯(小臼歯)では1本も発生しませんでした。
この結果は、ジルコニアが完全に割れてしまうことに対してだけでなく、部分的な損傷に対しても非常に高い抵抗力を持っていることを示しています。
3. 適合性と歯茎への優しさ
ポイント3:歯との適合性も良好で、歯茎にも優しい

被せ物の治療で重要なのは、強度だけではありません。被せ物とご自身の歯との境目に隙間なく、ぴったり合っているか(専門用語で「マージナル・インテグリティ」と言います)が、その後の歯の寿命を左右します。
今回の研究では、2年が経過した後でも、95%のケースでこの適合性が問題なく維持されていました。歯と被せ物の間に隙間ができてしまうと、そこから虫歯菌が入り込んで「二次カリエス」になったり、歯周病の原因になったりします。この適合性の高さは、長期的なお口の健康を守る上で非常に重要なポイントです。
また、90%の患者さんで歯茎が健康な状態を保っていたことも報告されており、ジルコニアが体との相性が良い「生体親和性」に優れた素材であることも裏付けられました。
4. 圧倒的な患者満足度
ポイント4:実際に使った患者さんの満足度が非常に高い

材料がどれだけ優れていても、最終的に使う患者さん自身が満足できなければ意味がありません。その点でも、ジルコニアは素晴らしい結果を示しました。
- 機能(噛み心地など): 90%が「非常に満足」、残りの10%も「満足」と回答
- 審美性(見た目): 90%が「非常に満足」、残りの10%も「満足」と回答
- 快適さ: 85%が「非常に満足」、残りの15%も「満足」と回答
そして、最も説得力のあるデータがこれです。なんと、95%もの患者さんが「他の人にもジルコニアの被せ物を勧めたい」と回答したのです。
これらの数値は、ジルコニアが単に「丈夫な材料」というだけでなく、実際に使った人にとって「快適で見た目も良い」と感じられる、非常に優れた治療法であることを物語っています。
まとめ:未来への展望
今回ご紹介した研究結果から、ジルコニアの被せ物には以下の4つの大きなメリットがあることが分かりました。

- 破損ゼロの圧倒的な耐久性
- 表面の「欠け」のリスクが極めて低いこと
- 歯や歯茎の健康を守る、良好な適合性
- 使用者が実感する、非常に高い満足度
ジルコニアの被せ物は、歯ぎしりという歯科治療にとって非常に過酷な条件下であっても、極めて信頼性の高い選択肢であると言えます。
もしあなたが歯ぎしりを理由に、被せ物の治療をためらっているのであれば、ジルコニアという選択肢が新たな希望になるかもしれません。一度、かかりつけの歯科医師に相談してみてはいかがでしょうか?

【動画で知りたい方はこちら↓】(一部読み方がおかしい部分がありますが内容は正確です)
