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院長のとっておきの話 その99 口内炎のTikTok情報、信じて大丈夫?論文が明かす5つの衝撃の事実

つらい口内炎ができたとき、ついTikTokなどのSNSで対処法を検索してしまいませんか?多くの人にとって、ソーシャルメディアは健康に関する情報を手軽に得るための便利なツールになっています。しかし、その手軽さの裏には、情報の質という大きな問題が潜んでいるかもしれません。

この記事では、「再発性アフタ性口内炎」(多くの人が経験する一般的な口内炎)に関するTikTok上の情報の質を調査した最新の医学論文を取り上げます。この研究から明らかになった、あなたの常識を覆すかもしれない「5つの衝撃の事実」を、分かりやすく解説します。

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論文が明らかにした5つの事実

1. 衝撃の事実1:TikTokの口内炎に関する情報のほとんどは質が低い

この論文が導き出した最も重要な結論は、「TikTok上の口内炎に関する動画の質は全体的に低い」ということです。

研究では83本の動画を分析し、その全体的な品質を「Global Quality Score (GQS)」という5点満点の指標で評価しました。その結果、平均点はわずか2.21点でした。論文の言葉を借りれば、「全体として動画の質は悪かった(poor quality)」と結論付けられています。

なぜ、質の低い情報が溢れてしまうのでしょうか。論文の著者は、この背景には、ユーザーが口内炎の根本的な原因や病態生理よりも、今ある痛みを和らげるための「手っ取り早い解決策」を求めていることがあるのではないかと考察しています。その結果、クリエイターも本質的な解説より、対症療法に偏ったコンテンツを優先してしまうのかもしれません。

2. 衝撃の事実2:専門家(歯科医など)の動画が人気とは限らない

「専門家が発信している情報なら安心」と思うかもしれませんが、話はそう単純ではありません。

論文によると、医療従事者(HCPs)が投稿した動画は、そうでない人が投稿したものよりも品質が「統計的に有意に高かった」(p < 0.001)ことが示されました。これは予想通りの結果かもしれません。

しかし驚くべきことに、動画の人気(再生回数やいいね数など)は、発信者が医療従事者であるかどうかでは大きな差がありませんでした。つまり、質の低い動画でも、専門家の動画と同じくらい人気を集めてしまう可能性があるのです。

さらに論文を詳しく見ると、「全体としては、動画の質と人気の間には弱いながらも正の相関が見られた」と報告されています。これは、質の高い動画が少しは人気が出やすい傾向にあることを示唆しますが、その関連は非常に弱く、「人気があるから質が高い」と判断する根拠には全くなり得ない、ということです。

3. 衝撃の事実3:「SLSフリー歯磨き粉」の効果は誤解されているかも?

分析された動画では、口内炎の原因として「ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)」という歯磨き粉の成分を挙げるものが非常に多く見られました。そして、「SLSフリーの歯磨き粉を使えば治る」といった単純な解決策が提示されがちでした。

SLSは歯磨き粉の泡立ちを良くする成分ですが、その作用が口の粘膜の保護層を乾燥させたり、剝がれやすくしたりすることで、口内炎を誘発・悪化させる可能性があると指摘されています。

しかし、論文ではこの点について、より慎重な見解が示されています。2012年に行われたある研究によると、SLSを含まない歯磨き粉は、確かに口内炎の痛みを軽減し、治癒を早める助けにはなる可能性が示唆されました。しかし、口内炎の「発生そのものや数を減らすことに有意な効果はなかった」と結論付けられています。

つまり、SLSが口内炎の唯一の、あるいは絶対的な原因であるかのような単純化された情報は、誤解を招く可能性があるのです。

4. 衝撃の事実4:本当の原因は見過ごされている?ストレスや栄養不足の可能性

論文によると、分析された動画の大多数(83本中75本)が「治療法」に焦点を当てており、次に多かったのが「原因」についての動画(42本)でした。しかし、その「原因」に関する情報が、SLSのような特定の要因に偏りすぎていたのです。

専門家が重要視する他の多くの要因については、ほとんど言及されていませんでした。論文では、口内炎のリスクを高める可能性のある他の要因として、以下のようなものを挙げています。

  • 心理社会的ストレス(例:学生の試験期間など)
  • 鉄分、ビタミンB12、葉酸などの血液関連の栄養素の欠乏
  • 遺伝的素因
  • 禁煙(禁煙直後に一時的に口内炎ができやすくなることがある)

口内炎の原因は一つではなく、これらの複合的な要因が絡み合って発症することが多いのです。

SNSの情報だけを見ていると、こうした多角的な視点を見逃してしまう危険性があります。

5. 衝撃の事実5:あなたが知らない専門的な治療法が存在する

TikTokでは、「ミョウバン(alum powder)」を塗るといった家庭でできる代替療法がよく紹介されていました。一方で、専門家の間では、TikTokではほとんど語られることのない、はるかに多様な治療選択肢が議論されています。

例えば、症状が重い場合や頻繁に繰り返す場合には、「コルヒチン」や「全身性ステロイド」といった内服薬から、「ダプソン」などの別の薬剤、さらには「硝酸銀」や「炭酸ガスレーザー」を用いた専門的な処置に至るまで、症状に応じて様々な手がかりがあります。

ここでの目的は特定の治療法を推奨することではありません。重要なのは、自己判断で対処する前に専門家に相談することの価値を理解していただくことです。安易な情報に頼らず相談すれば、あなたが思っている以上に多様な選択肢の中から、自分に合った治療法を見つけられる可能性があります。

まとめ

今回ご紹介した医学論文は、TikTokが口内炎に関する情報を得る上で便利なツールである一方、その情報の質は全体的に低く、人気と正確性は必ずしも一致しないという事実を明らかにしました。

特定の成分だけを原因と見なしたり、ストレスや栄養状態といった複合的な要因を見過ごしたり、専門的な治療法の存在を知らなかったり。SNSの情報だけを鵜呑みにすることは、あなたの健康にとって最善の選択ではないかもしれません。

この記事を読んで、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。 「あなたの健康に関するその情報、本当に信頼できますか?」

もし、つらい口内炎に悩んでいるなら、まずは私たち、かかりつけの歯科医師にご相談ください。それが、あなたの症状を改善するための最も確実で安全な第一歩です。


【動画で知りたい方はこちら↓】(一部読み方がおかしい部分がありますが内容は正確です)

引用)
Patton B, Lal AM, Riordain RN. Recurrent aphthous stomatitis information on TikTok: satisfactory or substandard? Ir J Med Sci. 2025 Dec;194(6):2193-2200. doi: 10.1007/s11845-025-04040-0. Epub 2025 Sep 2. PMID: 40890550; PMCID: PMC12769711.

院長紹介

院長

Tatsuya Aoyama

皆さま、こんにちは。私たちの歯科医院では、患者さま一人ひとりに寄り添い、最適な治療を提供することを目指しています。
精密な技術と設備を活用し、痛みの少ない治療を心掛けています。また、審美治療やインプラント、メインテナンス、訪問診療、抗加齢医学的栄養療法など、幅広いニーズに対応できる専門的なケアを提供しております。皆さまの笑顔を守り、健康的で美しい歯を維持するお手伝いをさせていただきます。お気軽にご相談ください。

略歴

H6年3月
宮崎県立延岡高校卒業
H12年4月
国立徳島大学 歯学部歯学科卒業
H12年5月
歯科医師免許証取得
H12-15年
インプラントセンター、予防歯科医院など3件で勤務
H15年7月
瑞の木会 ローズタウン歯科入社
H22年2月
ローズタウン歯科クリニック 継承
H31年4月
医療法人 地天泰 理事長 就任

所属

  • 日本歯周病学会(歯周病)
  • 日本口腔インプラント学会(インプラント)
  • 日本顕微鏡歯科学会(マイクロスコープ)
  • International Team for Implantology(ITI) member(インプラント)
  • 日本抗加齢医学会(アンチエイジング)
  • 日本分子状水素医学生物学会(アンチエイジング)
  • 日本アライナー矯正歯科研究会(マウスピース矯正)
  • Er-YAGレーザー臨床研究会(レーザー)
  • 日本口腔検査学会
  • 浦安市歯科医師会
  • 千葉県歯科医師会
  • 日本歯科医師会
  • 学校歯科医会

資格

歯科医師、日本抗加齢医学会専門医、ITIセクションジャパンインプラントスペシャリスト認定医