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院長のとっておきの話 その54 その亜鉛サプリ、本当に効いてる?「亜鉛の意外な4つの真実」 亜鉛シリーズ第2弾

はじめに

「亜鉛」と聞くと、多くの人が免疫機能をサポートする重要なミネラルだと考えるでしょう。風邪の季節になると、亜鉛のサプリメントに手を伸ばす人もいるかもしれません。しかし、亜鉛が私たちの健康に果たす役割や、その吸収の仕組みについての一般的な理解は、氷山の一角に過ぎません。

実は、亜鉛が体内でどのように利用されるかは驚くほど複雑です。どのサプリメントを選ぶか、いつ、何と一緒に摂取するかによって、その効果は大きく変わる可能性があります。

この記事では、最新の科学的レビューに基づき、亜鉛に関する4つの意外な、しかし非常に重要な真実を解き明かします。この知識は、あなたがより賢明な健康管理を行うための確かな指針となるでしょう。

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1. 「どの亜鉛でも同じ」は間違い!吸収率が高い亜鉛サプリの選び方

亜鉛サプリメントは様々な化学形態(亜鉛塩)で販売されていますが、実はその種類によって体内での吸収率が異なることをご存知でしょうか。せっかくサプリを飲むなら、効率よく吸収されるものを選びたいものです。

科学的レビューの結論として、グリシン酸亜鉛グルコン酸亜鉛は、他の形態よりも体内での吸収が優れていることが示されています。

具体的には、ある研究でクエン酸亜鉛とグルコン酸亜鉛が、一般的に使用される酸化亜鉛よりも有意に高く吸収されることが確認されました。特に、酸化亜鉛は水に溶けにくく、胃酸が少ない状態では吸収が低下する可能性があるためです。サプリメントを選ぶ際には、成分表示を確認し、これらのより生物学的利用能(バイオアベイラビリティ、体内でどれだけ効率的に吸収・利用されるかを示す指標)が高い形態のものを選ぶ価値があるでしょう。

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2. 要注意!健康的な「あの食品」が亜鉛の吸収を邪魔しているかも

亜鉛の吸収を妨げる主な食事性因子として、「フィチン酸」という物質があります。これは、私たちの食生活に非常になじみ深い食品に含まれています。

フィチン酸は、穀物、豆類、ナッツ、種子といった植物性食品に豊富に含まれる成分です。フィチン酸は消化管内で亜鉛と結合し、水に溶けない複合体を形成します。この複合体は体内に吸収されることなく、そのまま便として排出されてしまいます。

これは少し意外な事実かもしれません。なぜなら、これらの食品は一般的に健康的だと考えられているからです。しかし、フィチン酸を多く含む食事は、亜鉛の吸収を妨げる可能性があるのです。このため、菜食主義者の場合、食事から必要とされる亜鉛の量が最大で50%も多くなる可能性があると指摘されています。

対策は?フィチン酸の影響を減らす工夫

幸い、食品の調理法を工夫することでフィチン酸の影響を減らすことができます。例えば、穀物や豆類、種子などを調理前に水に浸したり、発酵させたりといった方法が有効です。これらのひと手間が、食品に含まれる亜鉛を効率よく吸収するための助けとなります。

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3. 「味覚がおかしい」「傷が治りにくい」…それ、亜鉛不足のサインかも?

亜鉛不足というと免疫力の低下を連想しがちですが、本当に注意すべきなのは、血液検査の数値が正常でも身体的なサインが現れることがある点です。科学的レビューによると、食事からの亜鉛摂取がわずかに不足するだけで、血液中の亜鉛濃度に変化が見られなくても、臨床症状が出ることがあります。

これらの症状は非常に多岐にわたり、他の原因と区別がつきにくい(非特異的な)ものが多いのが特徴です。以下に、亜鉛不足の意外なサインをいくつかご紹介します。

  • 味覚・嗅覚の障害
  • 傷の治りの遅れ
  • 皮膚や眼の病変
  • 脱毛症
  • 食欲不振

特に「味覚の障害」や「傷の治りの遅れ」は、良好な口腔内の健康を維持したり、歯科治療からの回復を促したりする上で非常に関連が深い症状と言えるでしょう。

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4. 鉄分サプリを飲んでいる人は必見!亜鉛との「飲み合わせ」の注意点

貧血予防などで鉄分のサプリメントを摂取している方は、亜鉛との関係に少し注意が必要です。高用量の鉄分サプリ(25mg以上)は、亜鉛の吸収を低下させる可能性があります。

ただし、この相互作用が起こるのには特定の条件があります。それは、鉄と亜鉛の両方のサプリメントを空腹時に同時に摂取した場合です。

幸いなことに、この吸収阻害作用を回避する簡単な方法があります。それは、両方のサプリメントを食事と一緒に摂取することです。食事と一緒であれば、鉄分が亜鉛の吸収を妨げることはありません。複数のサプリメントを摂取している方にとって、それぞれの効果を最大限に引き出すためのシンプルで重要なヒントです。

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まとめ

この記事では、亜鉛に関する4つの重要な事実を解説しました。吸収率の高い形態を選ぶこと、食事内容が吸収に与える影響、見過ごされがちな欠乏のサイン、そして他のサプリメントとの相互作用。これらは、亜鉛の恩恵を最大限に受けるために知っておくべき知識です。

私たちの健康に欠かせない亜鉛。今日の知識を、明日からの食生活やサプリメント選びにどう活かしますか?


【動画で知りたい方はこちら↓】(一部読み方がおかしい部分がありますが内容は正確です)

引用)
Devarshi PP, Mao Q, Grant RW, Hazels Mitmesser S. Comparative Absorption and Bioavailability of Various Chemical Forms of Zinc in Humans: A Narrative Review. Nutrients. 2024 Dec 11;16(24):4269. doi: 10.3390/nu16244269. PMID: 39770891; PMCID: PMC11677333.

院長紹介

院長

Tatsuya Aoyama

皆さま、こんにちは。私たちの歯科医院では、患者さま一人ひとりに寄り添い、最適な治療を提供することを目指しています。
精密な技術と設備を活用し、痛みの少ない治療を心掛けています。また、審美治療やインプラント、メインテナンス、訪問診療、抗加齢医学的栄養療法など、幅広いニーズに対応できる専門的なケアを提供しております。皆さまの笑顔を守り、健康的で美しい歯を維持するお手伝いをさせていただきます。お気軽にご相談ください。

略歴

H6年3月
宮崎県立延岡高校卒業
H12年4月
国立徳島大学 歯学部歯学科卒業
H12年5月
歯科医師免許証取得
H12-15年
インプラントセンター、予防歯科医院など3件で勤務
H15年7月
瑞の木会 ローズタウン歯科入社
H22年2月
ローズタウン歯科クリニック 継承
H31年4月
医療法人 地天泰 理事長 就任

所属

  • 日本歯周病学会(歯周病)
  • 日本口腔インプラント学会(インプラント)
  • 日本顕微鏡歯科学会(マイクロスコープ)
  • International Team for Implantology(ITI) member(インプラント)
  • 日本抗加齢医学会(アンチエイジング)
  • 日本分子状水素医学生物学会(アンチエイジング)
  • 日本アライナー矯正歯科研究会(マウスピース矯正)
  • Er-YAGレーザー臨床研究会(レーザー)
  • 日本口腔検査学会
  • 浦安市歯科医師会
  • 千葉県歯科医師会
  • 日本歯科医師会
  • 学校歯科医会

資格

歯科医師、日本抗加齢医学会専門医、ITIセクションジャパンインプラントスペシャリスト認定医