あれっ? 唾液が少ないゾ?
投稿日:2017年6月20日
カテゴリ:予防歯科
治療が修了しようやく口の中に穴がなくなり、
歯肉出血も解決したSさん。
う蝕(むし歯)の原因を探るために唾液検査をしました。
ミューターンス菌が多いままでメインテナンスに移行した場合、
う蝕を繰り返す可能性が高くなります。
当院で行う唾液検査は治療終了後に行っています。
その人の真のリスクを見つけるというのが狙いですから、
う蝕がある状態(治療前)での検査はしません。
仮にう蝕がある状態での検査をしたところで、
ミュータンス菌が多く出るのは分かっていますから
あまり意味がないのです。
さて、Sさんのミュータンス菌は、比率が0.1%以下、菌数も500以下と少なく
ミュータンス菌レベルを見ればリスクが低いことが分かります。
ちなみに検査前にミュータンス菌を増やす砂糖を極力減らしてもらっています。
これも大事なポイントですネ!
今回は、この検査でミュータンス菌ではなく別の問題が見つかりました。
唾液の量が極端に少ない!ということ。
30代なのにこれはおかしいゾ。。。と思いながら、
生活習慣、服薬を聞いてみましたところ
睡眠時間が約3時間ほどで
睡眠導入剤を処方してもらい飲んでいるとのことでした。
その薬を調べてみると、副作用の欄には口渇と書かれています。
さてどうしましょう。
処方した医師と相談していただくことになりました。
唾液が少ないということは免疫低下を意味しますので、
非常に深刻な問題を引き起こしかねません。
唾液検査というのはミュータンス菌感染の度合いを調べるだけなく、
唾液の量、pHを調べます。
あなたについての正確な情報が増えるので、
より的確な治療計画が立てられるようになります。
現在のところ、保険適用にはなっていませんが
大変重要な情報をもたらしてくれますので、
口腔内の環境が整い、メインテナンスに移行する前にお勧めしています。
ご注意)
以前、NHKのプロフェッショナルという番組において、
初診時もしくは2回目に唾液検査を行っている歯科医院が登場しましたが、
冒頭でも書きましたがこのタイミングでは見かけ上多くう蝕菌が検出されます。
当院では、
口腔環境が整った後に行う方がより正確なデータが採取できると考えています。
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