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大事なのは終わった後だった! むし歯体質改善への道 その6 エコロジカルプラーク仮説!
前回で途中のまとめをしました。
まだまだ、続きます。
ホントは糖質依存から血糖調節や血糖調節異常の話に進みたいのですが、
おそらくそこで挫折する方が増えると思いますので、それは後回しにします。
今回はまた口の中の話に戻ります!
今回のこの話(エコロジカルプラーク仮説)は先日まで自分も知らなかったのですが、
とある勉強会で海外演者(イエテボリ大学細菌学教授)から話を聞く機会があり、
理解を深めたという考え方です。
では参ります。
むし歯と歯周病の話の2つがでてきますが、
まずはむし歯菌のおさらいからいきます。
おさらいばかりですが、大事な話ですのでもう一度いきます。
歯がはえてくると歯の表面になにかしらの菌が付着します。
ミュータンス菌の感染がほとんどなく、
善玉菌(常在菌)が守ってくれていれば問題は起きません。
ミュータンス菌の感染の度合いが高い場合は、むし歯(う蝕)のリスクが上がります。
ミュータンス菌の動向は、砂糖の摂取頻度に大きく左右されます。
外から入ってきた食べもの(外因性)に影響されるわけです。
砂糖の摂取により、乳酸が代謝され酸性の状態が続きます。
酸性状態でしか生きられない菌(う蝕菌)が生き残ります。
これがエコロジカルプラーク仮説のう蝕菌の代謝経路です。
ちょっと難しいかもしれませんが
ミュータンス菌が多ければミュータンス菌が増えてそればっかりになるよ
ということです。
正確には酸性の環境を好むラクトバチルス(乳酸桿菌)があとで増えはじめます。
さてさて、
歯肉から出血したり、腫れたり、その結果として歯を支える骨が失われる歯周病は
どうなんでしょう?
エコロジカルプラーク仮説ではこのように考えられているようです。
・・・これを見てなるほどー となる人はほとんどいないと思います。スミマセン。
もう少し詳しく説明していきますネ!
さきほどは酸性でしたよね。
う蝕菌は酸性で増える、と。
今回はアルカリ性なんです。
それでどういうことを言ってるかといいますと、
この歯とはぐきの境目にあるちっさい溝(歯肉溝)の粘膜が弱り、
タンパク質・ビタミン・ホルモンが漏れだす状態が続くと、
それをえさにする(代謝する)菌が成長し、数を増やすようです。
歯周病菌を増やす環境があるから、その菌が増えているという考えです。
そして歯肉に炎症をおこしていくわけです。
つまり、こんな感じ。
菌が増えると、
バイオフィルムという集合体を作ります。
お風呂のぬめり、台所のぬめり、あれもバイオフィルムです。
ここまでくると、効率よく菌が生活しやすい場を作っていますので、
歯肉を出血させて養分となる鉄(赤血球内のヘモグロビンの鉄)を取り出すことが容易になります。
体の方も防御をするのですが、なかなか追いつきません。
なぜなら、養分が漏れっぱなしだからです。
兵糧が充分な相手に勝てるでしょうか?
ちなみに、この状態の後に歯石になりますので、
歯石がついたのでとってほしい!
歯石とってほしいんですけどー!
というのはちょっと遅いよ! ということになります。
エコロジカルプラーク仮説の内因的経路、お分かりになりましたか?
内因的経路というのは、食べ物が直接関与していないということになりますが。。。
栄養分の漏れはどこで食い止めたらよいでしょうか?
その漏れた原因は何でしょうか?
プラークコントロール(ブラッシング)を丁寧にすれば漏れにくい歯肉になるのでしょうか?
それともマッサージしたら血行が良くなるでしょうか?
どうしたらいいんでしょうね?
これらを解決するには・・・・!
今回はエコロジカルプラーク仮説を説明しました。
次回は、解決法、というかその背景にある考え方を説明します。
その7へ続く。。。
追伸)むし歯体質改善プログラムというのは、
この図にあるような前時代的な医療とは全く違うものを提供します。
船を増やせば、問題は解決するでしょうか?
小学生でも分かりますよね。