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根管内洗浄のための新しいシステムを導入しました
非常に評価の高い、個人輸入でしか入手できないシステムを一つ、国内で入手できる器具を一種導入しました。この二つを組み合わせることで治療成績の向上が見込めます。
本日はこの二つを使ってマイクロスコープで見ながらどのような根管内洗浄が行えているかの検証を透明な歯の模型を使用して行いました。結果は期待通りのものでした。
その様子をちょっとだけ写真でお見せします。
まずこちら、歯の透明模型です。ちょっとお高いです。
ターゲットに選んだのはこちらの歯。
赤い部分が歯の中にある空間で、全て細菌だと思ってください。
これをいかに綺麗にしていくかが治療の鍵になります。
塗り絵とは逆の消し絵?的な治療で、正確に言えば感染除去です。
実際のサイズはこんな感じです。手の平に乗せてみました。
拡大するとこんな感じ。このサイズで治療をしていけるのが顕微鏡治療(マイクロスコープ治療)です。
まだ歯科医院全体の6%にしか装備されておりません。
歯の裏側に穴を開けて空間へのアクセスルートを確保した後、ワイヤーのように見える器具を使って中を探ります。実際の治療はこれは見えません。
洞窟を探検するときの先発隊がこのワイヤーです。中の形状や出口を探っています。
出口付近を探っています。
洞窟(根管)の中を掃除をする度にこれだけのカスが出てきます。これは実際には細菌の集合体です。
さて、ここで検証が始まります。通常は薬液で洗浄しますが、実は薬液を単純に入れるだけよりも、そこに超音波振動を加える方が洗浄効果が高いと言われています。
これは振動を加えずに洗浄したところ。
振動を加えながら洗浄しているところ。圧倒的な洗浄効果の差がわかります。
横から見たところ。一部壁に赤い部分(細菌を想定)が残っていますが、大方きれいになってきました。
洞窟はまだまだ汚れていますので、先発隊の報告を参考にして、後発隊が洞窟の中を削り取る作業を進めていきます。
削り取れば、それだけの削片が出ます。
どうもこの洞窟は根の先の部分に、もう一つ小さな洞窟があるようです。
そこは掃除できるのでしょうか?
洞窟の中を掃除した後の削片、これを先ほどの超音波で洗浄します。
中は綺麗になってきているようですが、先が詰まっています。
先発隊に協力をあおぎます。
さらに、強力な助っ人を呼んできました。形状記憶合金の清掃人です。彼は体温になるとその形状をくねらせた形に変形させて、洞窟の内部のいたるところを清掃していきます。先の部分までしっかり清掃してくれています。
これでほとんど清掃は終わりです。
横から見てみましょう。途中の部分に若干赤い部分が残っているようです。実はこれアクセスする場所の削り方が良くないのでこうなっています。そこを修正します。
そしてまた洗浄します。実際の歯では、薬液を2種使いその効果によっても洗浄をしていきますので、今回の赤い部分は溶解されるはずです。
さて、ここまで来ましたら、この洞窟に誰も入り込めないように封鎖していきましょう。
今回は、万が一中に細菌がいたとしても完全に封鎖できるような素材を使ってみました。コンクリートを流し込んでいる感じです。
ビフォーアフターの比較です。
通常はこの洞窟探検の先発隊、や後発隊の検証のためにレントゲン撮影が入って来ます。また他の探検隊が探検して細菌が感染しているケースはさらに複雑になってしまいますので、それだけの労力と時間がかかります。大臼歯になると洞窟は3本から4本、場合によっては5本あることもあり人によって様々です。
今回は透明模型や洗浄器具を個人輸入して使用しました。時間的には1時間近くかかっています。
マイクロスコープを使うこと、さらに洗浄器具を厳選することがいかに大事かが伝わったでしょうか?
今後、制限のない自由診療において積極的に使っていきたいと思います。
ちなみに、洞窟はまだまだたくさんあり、もっと曲がりくねったり、途中で他の洞窟とくっついていたり、いろんなバージョンがあるので、探検次第またブログに書きたいと思います。
浦安市で根管治療をしっかりと行いたいという方はぜひ一度ご相談ください。