ブログ
木を見て森をみる その1 歯がしみる
当院で歯のメインテナンスを受けている方で
歯がしみる ということで来院された方がいました。
メインテナンスを受けているので、歯のX線データはそろっていますし、
口の中の状況、スポーツの趣味も把握できています。
これまでなんともなかったのに、
突然歯がしみ始めたようです。
もし、しみる歯だけ見ればどうなるでしょう?
むし歯(う蝕)があるかないか?
かみ合わせの力が加わりすぎていないか?をチェックして
問題なければシミ止めを塗ったり、
歯と歯を無意識に合わせないように指導したりするでしょう。
ここまでは一般的なやり方で間違っていません。
では、歯だけでなく全体をみるとどうなるでしょうか?
しみた → 視診では歯に問題はなさそうだ
→ 口の中に興奮が続いた跡はある?
→ 興奮が起こる食べ物を食べた? スポーツは?
となります。
結局、誘発の原因は食べ物でした。
しみ始めた前日の夜に頂き物のチョコレートをたくさん召し上がったそうです。
ということは、一時的に歯にストレスがかかってしみている可能性が高いですから、
しみどめの処置は行わず、食事に気をつけていただいて数日後確認してみましたら、
しみるのは治ったということです。
決して稀なケースではありません。
今回の場合、歯科医師に必要な知識は、糖代謝経路、血糖調節機構、食品のGI値だと
考えていますが、これらの教育は標準教育に組み込まれていませんので、
自主的に行わざるを得ないというのが現状です。
でもご安心ください。少しずつですが学習を始める歯科医師が増えています。
保険給付(セーフティーネット)という範疇から大きく外れる考え方ですが、
根本的な解決につながりますので、こういう考え方があるということも知っていただけたら幸いです。
最近発売になった本をご紹介しておきます。
体の不調がある方は一読の価値がありますよ。
当院では糖質過剰についての指導をしていますが、
この本はよくまとまっており、1回目は太字の部分を読むだけでも理解が格段にすすむはずです。
お勧めします。