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歯茎の病気・歯周病の新薬で骨を再生させる!?
歯周病再生治療に変革の波が来た!?
歯周病治療に大きな変革の波が来ました。日本発、世界初という触れ込みの歯周病再生治療薬、新薬の話です。従来、歯周病治療において失ったあごの骨(正確には歯槽骨)を再生させるものとしてこれまではエムドゲイン®︎という骨を再生させる素材を用いて来ましたが、今後は新薬のリグロス®︎を用いることになります。
日本発というのは、日本の歯学部、歯科大学の歯周病科の先生方の15年以上にわたる地道な研究と治験の結果、ようやく歯周病の再生治療薬が使えるようになったということです。驚くべきことに、従来用いていたエムドゲイン®︎よりも優位性が高いことが示されています。さらに驚くべきことに、保険治療においてこの薬が使えます。
この保険治療で使えるというのは、保険の歯周病治療にものすごい変化をもたらすでしょう。これまで、保険適用の歯周病外科治療は切除療法ぐらいしか使いようがなかったのです。この切除療法、保険が使えるからといって無理に適応ではない方に当てはめると変に歯ぐきが下がり見た目を悪化させてしまうので、やらない方がまだマシという形骸化した治療の一つだったのです。
新しい保険適用の再生治療は、お口全体ではなく一部が重度の歯周病だと言われた方にとっては、骨を再生させることによりギリギリの状態ではなく、万全の状態に近いところまで回復することが可能になるということです。
今後日本中でこの新薬が使われるとこの数年で確実に歯周病の再生治療の時代が変わっていくでしょう。ただし、この薬を使えばなんでも治るという誤解を招くといけませんので、もう少し追記しておきます。
まず、再生治療を成功させる条件は、再生手術治療を行う前の段階で、基本的な歯周病治療を一通り行なっているということが第一です。これには歯科衛生士の力が非常に大事になります。そして、手術をどのように行うか。歯の根の周りに付着した細菌や歯石、肉芽(にくげ)と呼ばれる反応物をきれいに取り切ることが要求されます。これには、マイクロスコープなどの拡大視野(できれば8倍ぐらい)があるとより良いかと思います。
最後に、再生治療を成功させる条件を栄養医学的に考えてみましょう(保険適用外情報です)。再生つまり新しく細胞が再生していくときに必要なものは何でしょうか? そして、処置にかかるストレスを減らす物質は? よく順番を間違えやすいことの一つに足し算を先にしてしまうということがあります。何かを足すよりもまず大事なのは引き算です。代謝を邪魔する物質(砂糖、添加物、加工食品、乳製品、小麦など)を取り除いたり、余計なもの(カフェイン、アルコール、タバコ)を減らすことが基礎となります。その代謝をスムーズに回せる体にした上で、足し算(サプリメンテーション)を適切に行い、平行してデトックス(重金属や化学物質)と抗酸化(ピロリ菌の有無情報が必須)を行うという順番です。
歯周病は痛みがなく進行する病気です。薬用歯磨き粉だけでは治りません。また、歯周病菌が全身を巡りいった先々で悪さをすることがわかっています。今後、歯周病と全身の病気との関連はさらに解明されていくでしょう。
浦安市で歯周病治療をお考えの方で、骨が一部だけないような局所的な重度歯周病で打つ手がないといわれた方、再生治療を併用して歯を長持ちさせたいという方、ぜひ一度ご相談ください。もし長期間通うことが難しく短期集中治療をご希望の場合は極力ご希望に添えるように短期集中治療計画を立てますのでお知らせください(こちらは保険適用外です)
院長 青山達也